大型縦型モニタの利用
●拙著「DTMによるオーケストレーション実践講座」のP.22に、楽譜作成ソフトの問題点と対処法として、いくつか列挙している。その最初の項目に◎スコア全体の一覧性に欠ける、として、モニタ上でのスコア五線の扱いの不便さと、ディプレイサイズなどについて、日々感じていることをもとにまとめてある。
特に90度回転する、縦型モニタの有用性などについては、当時は願望交じりに書いたものだが、ようやく当方も長年の夢を実用化させるべく環境を整備したので、どの程度の使い勝手か、人柱となって紹介しよう。
このたび導入したのが、NANAOの「FlexScan S2431W」24.1型、WUXGA (1920×1200)対応。もちろん、これの特長は縦回転機能である。で、Mac環境においても、Mac OS 10.4のみ、かつATI社製のグラフィックスボードを標準搭載している場合のみ縦回転が実現できる。
具体的な設定は、NANAOのEIZOライブラリーにも紹介されているので、こちらを参照。
当方Mac環境で二台のノート型を使っている。「Intel Core 2 DuoのMacBookPro(15inch)」と「PowerBook G4(12inch)」、これをKVMスイッチ(ATENのCS-1762)で切り替えている。前者は「Finale」や「Sibelius」などの楽譜作成ソフトや、MIDI、オーディオ編集の「Logic」、「GarageBand」など、後者はMailやWeb、テキストなどの通信や雑務用にしている。MBPの方は、ATI Radeon X1600なので、OSの標準機能で縦回転できる。例えば、これで「Finale2007」を縦表示で使う。
ご覧のように、標準的な吹奏楽編成の31段のスコア程度は、実寸で上から下まで表示可能である。これはなかなか便利だ。縮小させる必要がなく、音程の判別が出来る程度の大きさを保っている。これで音符入力の際のストレスはかなり軽減される。
パート譜も実寸見開き2ページが表示できる。パート譜の場合は、すでに五線幅が大きいので、さすがにここまで大きく表示しなくても編集可能なわけだが。
ちなみに、入力用のMIDIキーボードだが、リアルタイム演奏が必要なときには、88鍵のRolandのマスターキーボードを使っているが、楽譜ソフト用にはCASIOの「GZ-5」というミニミニ鍵盤を使っている。入力用と割り切ったサイズで、使うときだけデスクに配置すればよいので、これはこれで満足している。デスクにはメモやら資料などを置かなければならないので、省スペースが一番の基準になる。