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=スコアとパート譜の連携対決(3)

前回Sib.の優れたポイントをまとめてみたが、今回は【あともう一歩、残念なところ】をあげてみる。

×複声部表記をそれぞれ単独のパート譜としてリンク処理ができない。

例えば、スコアでは、ホルン1,2のように二声部以上まとめて表記されるような場合が多い。Sib.ではこのような場合、新たにホルン1と、ホルン2のように個別の譜表を作成して独立して対処する(つまりパート譜編集用のスコアを別途編集する)あるいは、ファイル書き出しとして、個別のファイルに分離して編集するようになる。この時点でスコアとパート譜の完全なリンク機能は解除される。「すべての」パートをリンク処理できるのが、一番の利点だと思うのだが、このような場合に例外処理を求めるられるのは、いささか残念。ちなみにFin.では同様のケースにおいては、パート譜管理ウインドウ内で、片方の声部を隠し、個別のパート譜として処理できる。が、しかしこれも「可能」という範疇であって、演奏用の簡易なものであればよいが、あらかじめ入力時のレイヤー分けに工夫が必要であったり、より親切なパート譜作りのための細かな編集にはついていけない。結局は同様に書き出しの処理をすることになる。これについても次回以降まとめてみる。

×小節幅の変更ができない。

スコアには表記の必要のない情報には「ガイド音符」などがある、これは「パート譜のみ表記」の設定を施せばよい。一方でスコアのみ表記して、パート譜上では、別表記にするという例もある。例えば、省略記号。パーカッションには特に多く用いられるが、スコアでは改ページ後の最初の小節のみ、パターンを実記するが、パート譜においては省略記号の連続のほうが都合が良い。(以下サンプル)

1_3
2_2

このような場合、音符の実記部分を「スコアのみ表記」にして、パート譜上は表記しないで、省略記号を記号で配置するという方法で実現できる。ここまでは工夫次第だが、問題なのは小節幅が個別に編集できないというところ。当然、隠された部分には実際の音符分のスペースがとられてしまう。あらかじめ省略記号表記された小節とのスペースの違いがとても気になる。Fin.では同様の処理方法が可能で、しかも小節幅の数値設定が可能なので、すべての小節を同じ幅にすれば、このような見た目の不自然さは解消できる。これはFin.に軍配が上がる。

×持ち替え楽器の楽器名の変更ができない。

スコアの左端には、パートの省略楽器名が記されるのが一般的だが、途中で楽器を持ち替えた場合、そこからは、持ち替え後の楽器名を表示したい。しかしながらSib.ではこれができない。Fin.では楽譜スタイルを使うと、いとも簡単に可能。Sib.では、単純テキストの背景を隠したものを、最初の楽器名の上に一つずつ配置していくという原始的な方法しか見当たらない。

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