LcND2016/12「ところで楽譜は読めますか?」
LinkclubNews掲載コラム、12月分より、
タイトルは「ところで楽譜は読めますか?」
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前回は各メーカーの「楽譜制作ソフト」が続々とヴァージョンアップしたことについて紹介しました。が、ちょっと話題を戻すようですが、そもそもの「楽譜」というメディアについてお話してみます。
音楽を嗜んでいらっしゃるかたでも「楽譜は苦手」という方は多くいらっしゃる。そもそも楽譜なんか読めなくても、歌は唄えるし、楽器だって弾けちゃうもんというのも事実ではあります。
ただひとつ言えるのは、楽譜は、音楽の設計図ですから、楽譜が結構読めると、音楽を再生する必要がなく、一目にして音楽が聴けるということなのです。これって当たり前のことなんですが、あらためて考えれば、すごく便利なものなんです。
突然ですが「タイポグリセミア現象」って、御存知でしょうか? 例えば、以下例文
みさなん、まだまださむいすでが、おんげきですか。かぜなどひていないいですか。
これ、間違っているけど、なんとなく読めちゃうってやつですね。特に大人は、これまでの経験で知っている単語が多いため、文字の順番が違っていても脳内判断で補完(思い込み)で読めてしまうというやつですね。
楽譜を読む=「譜読み」が得意な人ってのも、ほぼほぼこの「タイポグリセミア現象」をフルに活用しているとも言えるかもしれません。音符をひとつずつ読んでいるわけでもなく、なんとなくひとかたまり、慣用句的に把握していってます。特に和音(コード)なんかは、音符が、どのような形(フィギィア)で重なっているかというポイントを読みとるのが得意なわけですね。で、あとは記憶にあるコードの種別とコード進行の大まかなパターンと比較して把握して演奏する。ある種の将棋の「手筋」みたいなもんでしょうか?
「楽譜が苦手です」っていう、もうひとつの大きな要因は「リズムが読めません」というやつです。音の高さは、最初は時間がかかっても、数えていけばわかりますよね。ところがリズムだけは、一個ずつ考えれば考えるほど、全く意味不明になるのです。
リズムは分割法で考えなければならないので、小さなリズムの積み重ねではなく、まずは大きなかたまりを感じて、それを分けて把握する必要があります。簡単にいうと、拍単位でリズムパターン(音符の長さの組み合わせ)を身に付けてしまうのです。
文字だと伝わりにくいのですが、2拍のひとかたまりと捉えて8分音符を基準としたリズムの組み合わせを挙げみます。
1)全部8分音符だと4つそのまま「タタタタ」
2)最初の2つを繋いだリズムだと「タータタ」
3)真ん中2つを繋いだリズムだと「タタータ」
4)最後の2つを繋げば「タタター」
5)最初の3つを繋いだリズムは「ターータ」
6)後ろの3つを繋いだリズムは「タターー」
こんなものです。これに適当な好みのワードを当てはめて、あとは、メトロノームなどでカウントをとって練習するのみです。
1)「タベモノ・タベモノ…」
2)「ラーメン・ラーメン…」
3)「ステーキ・ステーキ…」
4)「カロリー・カロリー…」
5)「ケーーキ・ケーーキ…」
6)「カレーー・カレーー…」
今、8分音符を基準としましたが、同じ組み合わせを16音符基準で考える、あるいは4分音符基準で考えると、相対的なリズムは同じで、リズムのスピード、密度が変わるだけなのです。
といった練習方法をまとめた書籍を書きました。
・できる ゼロからはじめる楽譜&リズムの読み方 | リットーミュージック
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