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2016.06.15

LcND2016/06「パソコン音楽制作超入門…その前に」

LinkclubNews掲載コラム、06月分より、
タイトルは「パソコン音楽制作超入門…その前に」
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浸透したワードとして「DTM(ディーティーエム)」があります。「Desk Top Music」の略でパソコンを使った音楽制作環境の総称ですか。その分、今の時代となっては、多少気恥ずかしい語感に感じる方もいらっしゃるかもしれません。それこそ、かつて生演奏やバンドサウンドが主体の時代において、パソコンを使って音楽を奏でることが、まだ珍しかった時代を想起するからです。

ともあれ、商業系の音楽では、もはやパソコンなしでは成立しなくなってしまったので、今どきDTMっていう括りに違和感すらも感じます。かつてのテクノサウンド! のようなシンセサイザー中心の音楽のイメージや、今どきのボカロのイメージがある方も多いかと思いますが、オーケストラや合唱だって、楽譜はパソコンで編集されたり、参考音源、デモ音源をメールやクラウドで共有したり、あるいは録音後の編集にもパソコンが不可欠ですから、そういった意味では、あらゆる音楽にDTMが絡んできます。

従来のプロ現場の商業音楽と、ホビーのアマチュアの音楽制作の大きな違いは、人の手によるテクニックを除けば、ほぼ使っている機材の性能と組み合わせの違いでした。例えるならば、業務用高級システムキッチンと家庭用のお手軽流し台のような違いで、完成後の料理のクオリティーにも直結していたことは事実です。ところが、流し台が効率的なミニキッチンに進化を遂げ、住環境の変化とともに、もはや、無駄な高級なシステムキッチンが流行らなくなってきたのです。もちろん一部の富裕層は依然として贅沢を維持していますが、料理のクオリティーは、台所の規模に依存しなくなってきた。むしろシンプルで取り回しのよいミニキッチンの方がコスパがいいという。音楽も同様に、プロもアマチュアも同レベルの市販のパソコンを使って音楽制作してます。もっというなら、パソコンに繋げる入力用の鍵盤や録音用マイクなども、昔ほどランクの差はありません。プロの料理人も家庭の料理人も、同じような包丁やフライパンを使っているのです。

ツールや機材で差がなくなった分、プロとアマチュアで差別化されることといえば、もちろん料理の腕前の違いと、使う食材そのものです。カニとカニカマは、そりゃ違いがわかるでしょ。生演奏のヴァイオリンとパソコン音楽制作で使用される内蔵シンセサイザーで鳴らしたヴァイオリンってのは、カニとカニカマくらい違いが顕著ですが、最近は本物のイクラと人工イクラくらいの差しか解らない相当リアルなフェイク食材が売られているので、プロはそれを素材として仕入れるわけです。イクラに限らず、フカヒレだってフェイクの時代です。近年はリアルと区別困難な食材が、どんどん開発販売されているので、ひたすらにリアルを追求して音源素材を、大量に買い込む結果になるわけです。

すいません、やや脱線しました。お伝えしたかったことは、メインの制作ツールとしては、現在お使いのパソコンに専用の音楽制作ソフトを導入することで、かなり本格的なクオリティーで音楽を制作、楽しむことができる時代になっていますよ。ということでした。

そんな契機になればいいなーということで、拙著新刊が6/24発売予定です。

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・できる ゼロからはじめるパソコン音楽制作超入門 | リットーミュージック

ここでは「Studio One Prime」という無償ソフトを使って、パソコンを使った音楽制作の手順を、サンプル曲を仕上げていくというプロセスを通じて体感してもらう内容になっています。とくに、絶対つまずくであろう、ソフトのインストールやセットアップの導入について、まるごと一章分を割いて説明していますので、パソコンが苦手な方にこそトライ頂ければ嬉しい限りです。

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