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2016.01.14

LcND2016/01「アナログレコード再燃の傾向」

LinkclubNews掲載コラム、01月分より、
タイトルは「アナログレコード再燃の傾向」
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本年もよろしくお願いいたします。
さて、いわゆるアナログ盤レコードが、ちょっとしたブームであることは御存知でしょうか?

当初は、アメリカから端を発したものでしたが、日本国内でも数年前から徐々に広がっています。例えば、こちらの某大手レコードショップで検索をかけてみると「限定」とはなっているものの、多くのアーティストが新譜をアナログ盤でリリースしていることがわかります。

・アイテム検索 - TOWER RECORDS ONLINE

そもそも、私のようなアナログ世代としては、懐古趣味的な興味もあるのですが、いわゆるアナログ盤未経験のデジタル世代も、ここにきてレコードに注目しているというのが、なんとも時代だなと思います。アナログ盤は音質の良さも確かに認めますが、あのターンテーブルに盤をクリーニングしてからセットする所作、そして針を落とす一連の儀式があってこそのものでしょうし、コーヒーのドリップと一緒で、ある種、神聖な大人な嗜みなんだろうと。

一方で、デジタルのハイレゾ移行(高音質オーディオ化)も徐々に進んでいるのと、どうも対照的だなと思いきや、そうでもなく実は、絶妙に共存していることも面白いのです。例えば、音響楽器メーカーのKORGからは、アナログをハイレゾ音質でデジタル化する「DS-DAC10R」コンバータが、昨年末に登場しました。

DS DAC 10R

・DS-DAC-10R 1BIT USB-DAC/ADC | Audio | KORG

今年に入って、SONYからは、ハイレゾ変換対応のターンテーブル「PS-HX500」が、春ごろリリースされるとの発表がありました。

Sony ps hx500

・ソニー、アナログ盤をハイレゾ録音できるターンテーブルPS-HX500発表。DSD形式で取り込み、編集ソフトも無償提供 - Engadget Japanese

 さらには、パナソニックの高級オーディオブランドでである、テクニクスの歴史的レコードプレーヤーの名機でもある「SL-1200」シリーズが復活するというニュースも。

Turntable2 1 1

・名器SL-1200が復活! 2モデルで夏から発売 : ギズモード・ジャパン

テクニクスは、パナソニックがすでに生産終了のブランドとしていましたが、こうして復活させるという事態となると、なるほど、全世界的にもアナログ盤と周辺環境が、じわじわと盛り上がりをみせてきている証拠なのでしょう。もはや、極めて手軽で、垂れ流しに近いデータフォーマットの音楽に対して、アンチ利便性を主張するかのようなアナログブーム。それは、加速化が止まらない現代において、どこかしらシンプルに喜ばしい傾向だとも思いますが、いかがでしょう。

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