LcND2015/12「Cubase Pro8.5が登場」
LinkclubNews掲載コラム、12月分より、
タイトルは「Cubase Pro8.5が登場」
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主要な音楽制作ソフトである「Cubase Pro」の新ヴァージョン「Cubase Pro 8.5」および「Cubase Artist 8.5」が、先週12月2日に発表されて、すぐにダウンロード購入が開始されています。
おおよそ、毎年年末に新バージョンが発表されるサイクルが定着しているので、今年も順当な形でのリリースです。私もさっそくインストール完了しましたので、実際の変更点などを紹介してみたいと思います。
起動して大きな変化は、メニューバーにVST Cloudという項目があり、サブメニューには「VST Connect」と「VST Transit」が見られますが、後者の「VST Transit」が今回の目玉機能である、クラウドを使った楽曲データ共有機能です。選択するとログインが要求され、すぐにユーザー名を登録するように言われるので、ペンネームのようなものを登録して、すぐに使えるようになりました。他人と制作中のプロジェクトを共有することで、昨今のトレンドである「コライト(共同作曲)」作業に真価を発揮すると想像しますが、個人用途でも出先環境での作業の継続などにも有効な印象ですね。早速、試してみようと思っています。
MIDI入力で、地味ですが便利すぎる変化がありました。キーディター(ピアノロール)画面で、マウスでクリック入力した際、クリックを維持したまま上下にドラッグすると、そのままベロシティー(音の強弱や音色変化のようなもの)が変更できる点。なお、そのまま、MacのOptionキー(WinだとALTキー)で、ピッチ変更も出来てしまう。確かに試してみると、これは便利なんですね。実に好印象です。
同じような改善としては、トランスポーズパネルにも、大きなデザインの変化がありました。小節の範囲を選択するところにパンチインアウトとループとの設定が分離したことに気付きます。このあたりも、ちょっとしたことですが歓迎すべきですね。
Cubaseならではのユーティリティーとして「コードパッド」という機能があります。コード(和音)を、コードネームを指定するだけで構成音を展開かつ、和音も転回もできるという優れものなのです。私自身も講師活動の中で、和音に関する説明をする機会も多いので、便利に利用させてもらっているのですが、そのコードパッドにも、ちょっとした機能が追加されてました。従来は単にコードサウンドが鳴らされるだけでしたが、今回からは「基本コード」の他に「パターン」と「セクション」が選択できて、後者「セクション」を選択すると和音の構成音で、1音だけから、ルート付きの4音までの重ねる和音の厚みをコントロールできるようになりました。ベースと同時に鳴らす時に、不要なルートを省略して鳴らしたり、あるいは、楽曲に薄くパッド系サウンドを追加したいときなどにも実用性が高いかもしれません。
他にも、ユーザー自身のオリジナルのショートカットを施した環境設定を保存して、別のPCやMacでも、瞬時に呼び戻すことができる「プロファイルマネージャー」やソフトシンセ「Retrologue」が「Retrologue2」になったりと、多くの改良がされていますので、Cubaseユーザーの方は、早速検討されてみてください。ちなみに、2015年10月15日以降にアクティベートされた、前ヴァージョンユーザーは、無償アップグレードできるそうなので、そちらも御確認ください。
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