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2015.06.10

LcND2015/06「セミヴィンテージシンセを懐かしむ」

LinkclubNews掲載コラム、06月分より、
タイトルは「セミヴィンテージシンセを懐かしむ」
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当時の名機「M1」を完全に再現した、iPadアプリが登場しました。KORG「iM1」

・KORG iM1 for iPad MOBILE MUSIC WORKSTATION | Software | KORG

Im1 1

誰が言ったか知らないが、なるほど「セミヴィンテージシンセ」とは、絶妙にうまい表現だなーと感心したりしてます。いわゆる80年代のデジタルシンセ黎明期〜普及期あたりに登場した、さまざまなシンセサイザー機器の総称であり、私自身も含め、当時シンセ小僧や小娘だった人は、人一倍熱く語りたくなる年代だったりもします。

彼ら彼女らにとっての「三種の神器」といえば、YAMAHAのDX7、RolandのD50、KORGのM1でした。こうして連ねてみるだけで、今にも卒倒しそうな憧れの名機たちです。そして、当時手が出ないくらい値段が高かった。まず火付け役のトップバッター、泣く子も黙る「DX7」は、1983年に登場。その後「D-50」は1987年、「M1」は翌年、1988年。想い出を綴らせて頂ければ、当時「DX7」が買えなかった自分は、この「M1」のさらに翌年1989年に発売された、YAMAHAの「V50」というワークステーション型のシンセを購入。本格的に音楽を嗜むきっかけとなりました。

YAMAHAは、当時「FM音源」という方式を採用。周波数変調とかいいますが、もう当時は、理解に苦しむくらい難しい原理だったことだけは深く記憶されています。さておき、そのFM音源のエレピ(エレクトリック・ピアノ)というのも音色は、もう独壇場でしたね。(DX7の音色番号11番!)なんだろう、あのステレオ感といい、刷り込まれているのか、今聴いても、涎が…。ああ、トレンディドラマ…。(以下、動画5分10秒あたりです。)
YAMAHA DX7

D-50は「LA音源」という方式、いわゆるハイブリッド型で、PCM方式、つまり、あらかじめサンプリング録音された素材と、いわゆるシンセサイザーの合成音をミックスしたサウンドが大きな特徴。さらには、今でこそ常識になってますが、当時エフェクトを内蔵したシンセとして画期的なモデルでした。その代表的なサウンドといえば「FANTASIA」というプリセットの音色。これを聴けば、すぐにでもD-50の世界へぶっ飛ぶくらいの、すごく流行した音色です。(以下、動画の冒頭です。)
Roland d50

KORGのM1はPCM音源方式のワークステーション。よく音楽スタジオでもお目にかかりました。先のD-50も一部、PCMを利用していましたが、M1は圧倒的なPCMの高品質なサウンドと収録数が凄かった。こちらの代表的サウンドといえば、あの「Universe」と「Piano 16'」」でしょうかね。通称「M1ピアノ」と呼ばれるくらい個性的なピアノサウンドで、定番音色として頻繁に使われてました。(以下、動画の冒頭が「Universe」で、その次が「M1ピアノ」です。)
Korg M1

いやー、こうしてまとめて聴くだけで、すっかり独りで心地よくなってしまい、誠にすいません。しかし、この往年の音色達が、現代のクリエイターにもシンパシーと鳴り得るかもしれません。機会があれば、ぜひ堪能してみてください!

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