LcND2015/01「ハイとローの対極ブーム」
本年もよろしくお願いします!
LinkclubNews掲載コラム、01月分より、
タイトルは「ハイとローの対極ブーム」
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「ハイとローの対極ブーム」
ちょうどこの時期は、総括的な話題を繰り広げたくなったりますね。例えば、昨年から続く、今年も注目しておくべき静かなブームは「ハイレゾ」かもしれません。
まだまだメディアやメーカー先行のイメージですが、目や耳にすることが多くなった「ハイレゾ」というキーワード。それらに引っ張られるように、一般ユーザーも意識や関心事として話題にすることも増えてきたようです。
ハイレゾ音源、つまりCDクオリティーを超える高解像度音源ですが、もはやコンパクトディスクという流通形態を超えて、データ配信環境が整備されてきたというのが最大の要因かと思いますし、それに伴って、対応のオーディオ装置も徐々に普及をしつつあるという現状。もっぱら牽引している購買層というのは、40〜50代なんだそうです。私も含めて、その世代は、ちょうど、かつてのオーディオブームを体感した世代だったりします。そういった意味では、いわゆるオーディオマニアやブームの再燃ともいえます。当てはまる皆さん、ぜひ思い出してみてください、当時のキーワードだと……「Hi-Fi」そう「ハイファイ」です。懐かしいでしょ? こぞってホビーとして、ハイファイ・オーディオを口にしたもんです。ああ、高級プロオーディオって憧れでしたもんね。
さて、もうひとつの静かなブームは「アナログレコード」です。
ニッチだけど、着実に年々売上枚数が増えているんだそうです。特に海外の大物アーティストが新譜をアナログレコードでもリリースするといった動きも影響しているとかで。やはり日本でも引きずられる形で、ブームが再来の兆し。
わたくし、この年末年始、珍しく実家帰省したのですが、ちょっと時間がありましたので、札幌の「白い恋人パーク」に立ち寄ってみました。その中でたまたま遭遇したのが「蓄音器ギャラリー」そこでは、実際に一日3回、音楽室にて蓄音器で音楽を聴かせてくれるということで、興味津々で聴かせてもらいましたが、確かに、そのサウンドに魅了されました。御多分に漏れず、アナログレコードからCDに移り変わる時代を体感してきた世代ですから、どことなくノスタルジーも手伝っての印象でしょうが、そのローファイな温かみがよかった。
蓄音器が、こうして毎日演奏を続けているということは、そのメンテナンスや消耗品、もっぱら針はどうしているか? という疑問が湧き上がりましたので、すかさずギャラリーのスタッフさんに質問したところ、国内で蓄音器の針を現在も製造しているメーカーさんがあるとのこと。これにはちょっと驚きましたが、さっそく調べてみたところ、日本精機宝石工業株式会社(JICO)さんの「EAGLE」という針のようです。
・JICO TETUBARI-2000 蓄音機用鉄針 詳細情報 レコード針の専門店 - A'pis Japan
閑話休題、こうして静かなるブーム「ハイレゾ」と「アナログレコード」並べてみると、テクノロジーとサウンドの質には、明らかに対極なのですが、どちらもコダワリという括りの延長にあることに気付きます。さらに、紛れもなく多様化の傾向でもありますね。
冒頭「ハイレゾ」は、データ配信環境が普及のきっかけであるといいましたが、例えば、アナログ盤ですら、3Dプリンターのデータを購入して、自宅でレコード盤を精密にプリントして、出来上がった盤をターンテーブルにて楽しむという……もっとも最新な技術と、リバイバルとが結びついたとするならば、それこそ、ものすごく面白い展開が待っているんじゃないかと想像したりもします。
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