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2014.10.15

LcND2014/10「Thunderboltで繋ぐオーディオインターフェイス」

LinkclubNews掲載コラム、10月分より、
タイトルは「Thunderboltで繋ぐオーディオインターフェイス」

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Macに、Thunderbolt端子が標準搭載となったのは、2011年ですから、
かれこれ3年は経っているのです。
高速なデータ転送が可能ということは知っていながらも、
まだまだ対応機器やケーブル自体が高価なこともあって、
活かしきれてないのが、私を含む一般庶民だったりします。
手持ちのFirewire規格の機材も現役だったり、
スピード的には、USB3.0と大差なしというのも、普及を妨げている理由かもしれません。

Tb lgo rgb 3000

しかし、せっかくあるポートを放置するのは、
もったいないと考えるのも、やはり同じ庶民感覚。
Mac周辺機器が増えれば、このポートを眠らせておくのはもったいないと、
常日頃、頭を悩ませ、Thunderbolt対応機器が登場すると、
これこそがチャンスと物色に走る。

Thunderbolt対応のオーディオインターフェイスというのも、
いつしか登場していたのですが、
やはり高価高価で、おいそれと手出しできないプロ志向でした。
だったら、まだまだUSBで十分でしょう…という消極的選択のまま、
こんにちまで至っているわけですが、
2014年に入って、ちょっと食指が動いた製品の登場がありました。

5月に発売された、ZOOMの「TAC-2」という
Thunderbolt接続オーディオインターフェイスです。

Tac2 feature2c

・TAC-2 | ZOOM

数少ない他メーカーのラインナップでは、
10万弱から30万ほどの価格帯のところへ、
希望小売価格38,000円という、なんとか手の届く価格帯で実現された商品ということで、
かなり注目に値するものでした。
個人的には、ZOOMというメーカーは、初期のマルチエフェクター「STUDIO 1204」に、
当時としては、かなりお世話になったものです。以来、抜群の信頼性。

この「TAC-2」後継進化版として「TAC-2R」が、10月に発売になりました。

Zoom tac 2r 2

・TAC-2R | ZOOM

詳細は、製品ページでご覧いただければと思いますが、
ここでは、特長をかいつまんで紹介しましょう。

Thunderboltの最大限の利点は、高速転送ですので、
オーディオでは、低レイテンシーを実現します。

さて、レイテンシーとは何か? 
これは「遅れ」という意味で、オーディオインターフェイスから送り込んだ音が、
パソコンから再生されるまでに、
多少の処理に時間がかかって、ズレて発音されることです。
もちろん、リアルタイムで演奏する時には、少ないほうが好都合なのは、想像通りです。
Thunderboltでは、まさにこのレイテンシーを、圧倒的に少なくできる利点があります。

バスパワー駆動が安定している、というのも大きなメリットでしょう。
別途電源アダプターを必要とせずに、
ポート端子から電源を供給する仕組みが、バスパワーです。
従来のUSBのバスパワーで、電力の供給が小さくて、
動作が不安定になる現象などは、多くの方が経験されているのではないでしょうか。
Thunderboltは、USBに比べて、大きな電力供給が可能ですから、
余計な心配も不要です。

「TAC-2R」には、MIDI端子が付いているというのも、かなり便利そうです。
DAWソフトを使う分には、これ一台でOKです。
そして、それこそがウリということもあって、
バンドルソフトとして「Cubase7 LE」が付属します。
「Cubase」はユーザー数が圧倒的に多い、音楽作成ソフトですから、
これを目当てに「TAC-2R」を購入してもよいくらいです。

さらには、音楽制作向けの用途に加えて、
ハイレゾ音源の再生装置としての役割も合わせ持っています。
これから普及するであろう、Macでハイレゾ環境を構築するためにも、
DTMユーザーにとっては、かなり魅力的なデバイスとなっています。

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