LcND2013/01「MIDI誕生 30周年おめでとうございます」
LinkclubNewsDigest01月分より、
タイトルは「MIDI誕生 30周年おめでとうございます」
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昨年末ですが、Rolandの創業者である梯郁太郎氏と、
Sequential Circuitの創業者・デイヴ・スミス氏
(現・Dave Smith Instruments社長)が
「テクニカル・グラミー・アワード賞」を受賞されました。
・創業者 梯 郁太郎が「テクニカル・グラミー・アワード」受賞 :: ニュースリリース :: ローランド
今回は、MIDIの制定が大きな評価とされたのです。
心よりおめでとうございますを…。
MIDIについての説明は後述しますが、
ひとまずMIDIってのが、2013年で30周年となるそうです。
その公開の瞬間というのは、1983年の冬のNAMMショー。
今年も24日からアメリカで開催されますが、
例年行われる、世界中の楽器メーカーによる見本市みたいなショーです。
細かなことでいえば、MIDI規格が発案されて、制定されたのは、
前の年の1982年、いわゆるver1.0ですね。
で、翌年の83年NAMMショーで
Sequential CircuitのProphet-600、
RolnadのJupiter-6、
それぞれMIDI規格対応シンセサイザーの第一号機として発表されました。
それらはMIDIケーブルで接続され、
同期演奏されたデモンストレーションというのが、
今考えれば歴史的な出来事であったわけです。
そんな背景も含めて、
30th Anniversary of MIDIという興味深い動画があったので、紹介しておきます。
おかげさまで、今でこそ、
コンピュータミュージックの講師という活動もさせてもらっていますが、
本当にMIDIというワードほど、説明に窮する項目というのも珍しいわけです。
どうにも扱う範囲が広すぎるのです。
そして、単発のMIDIというワードが、
人それぞれの解釈をも包括するものだからだと思いますが。
「MIDIで鳴らせますか?」って、本当に度々質問されるのですが、
正直、これだけで返答することは無理でしょうね。
MIDI信号で、MIDIインターフェイスを介して、
外部に接続されたMIDIシンセサイザーを鳴らせますかってことでしょうか?
あるいは、パソコンに内蔵されているMIDI音源を鳴らせますか?
って意味だろうか?
MIDI(ほにゃらら)の(ほにゃらら)が大事なのに、
みんな頭のMIDIだけを連呼するので、
ちんぷんかんぷんなやりとりになってしまうのです。
でも、その気持ちもすごくわかります。
MIDIって、暗号みたいな略語だし、正確に説明すれば、するほど、
意味不明に陥ります。
WikipediaのMIDIの項目なんか、いい例です。
MIDIとだけ言われると、
それはMIDI(規格=取り決め)のことだと思うんですよね。
私とあなたは「日本語」という取り決めで意思疎通を図っている。
というのと同じで、
電子楽器達は、MIDIという取り決めでもって、
演奏情報を伝えあっている。うん、それだけです。
当たり前といえば、それまでですが、
某Y(amaha)社のシンセサイザーと某R(oland)社の
シンセサイザーを繋げて、音楽を鳴らせるというのは、
実はMIDIのおかげです。
仲が良いとか悪いとかではなくて、
ひとつの基準で〈やりとり〉ができることの偉大さ。
MIDIの登場によって、
世界中の電子楽器やデバイスが繋がることができる世の中が現れました。
そして、そのMIDIを扱う人達同士の交流や、人生や職業でさえも、
繋がれたり、同期してきた30年が、今ここにある。
と思ったりしてます。
本年もどうぞ、よろしくお願いいたします。
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