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2008.06.25

雑多諸々

・どうも咳が収まりませんなぁ。もう2週間近く。気温の変化が激しいからな。年々、治りがおそくなってきている気がする。気のせいか。みなみなさまも、どうぞお気をつけ下さい。

・映画『眠り姫』情報。うっかりしているうちに、京都は終わってしまいました。今日と明日は「神戸のアートビレッジセンター」です。お近くにお住まいの方、どーぞ、よろしくお願いします。
http://www.nemurihime.info/

・ちょっと、遅ればせの情報ですが、ギターの日渡奈那さんが、雑誌「現代ギター6月号」の表紙を飾っています。うーむ、癒し系だよー。インタビューも載ってますね。あれれ、もう7月号出ちゃったの?じゃ、先月号ってことで。

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http://www.gendaiguitar.com/

下高井戸でのギターとヴァイオリンのデュオコンサートでも大変お世話になりました。最近は、ジブリの曲をギターアレンジで演奏しているCDも出しておられます。実は、私の最初の劇場公開映画「のんきな姉さん」(七里圭監督作品)のエンドテーマも、ヴァイオリンとギターのデュオで書いたものですが、そちらも奈那さんに演奏してもらってたりします。このCD、かなりレア音源なような気がする。(苦笑)

・たまたまYouTubeで「ヨド●シカメラ」のテーマソング(えーと、新宿だと「まぁ〜るいみどりの山手線♪」ってやつね、)を聞いたら、あのアレンジのベースのリズムが、何かの曲に酷似していることに気がついて。はて・・・と考え倦ねていたら、思い出した。あれ往年のガールズロックバンド「プリンセス・プリンセス」の「Diamonds」のベースだよな〜って。まぁ、それに限らず、オリジナルは洋楽の何かなんだろうけどね。知っている人いたら、教えて!ちなみに、四度バシッ!、もとい、「ヨド●シカメラ」のテーマのオリジナルは「リパブリック賛歌」というらしい。そういや「ごんべさんのあかちゃんが風邪ひいたぁ」って、替え歌もあったよね。

・7月2日から、いつもの舞台公演があるみたいだ。うっかりしてたぁ、いやぁ、直ちに曲作らなきゃだ。そうだそうだ!

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2008.06.23

「Reminiscence for the future」へのメモ

来週、29日、静岡大学吹奏楽団にて初演される
「Reminiscence for the future -A Tribute to 6 -」の創作メモ。
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今回の作品へのリクエストは、紛れもなく「チェレスタとパーカッション」をフューチャーした吹奏楽曲ということ。

発想の核となったのは『6』という数字である。これは、故人の愛称(ニックネーム)であるということ。この『6』を今回の楽曲へのキャラクターへ忍び込ませていく。

曲は、当然6つの部分から成ると言いたいが、演奏時間8分程度では各部が散漫になりがち、よってここでは、オーソドックスに3つのチャプターから構成。それぞれに打楽器群を振り分けるアイディアを盛り込む。つまり【第一部】は金属系パーカッション、【第二部】は木質打楽器、【第三部】膜質(いわゆる太鼓系)パーカッションである。

〈チェレスタ〉の語源でもある「天上の声」というイメージは強力なもので、今回の委嘱の経緯や背景とも完全に重なる。そのイメージは楽想として活かす方向で。以下、楽曲を時間軸に沿って、着想やキャラクターをまとめておくことにする。

・冒頭は、金属打楽器によるクリスタルサウンド。ここでは、モティーフとして《完全4度》の単音による上昇音列のみが示される。いわゆる「永遠」とか「透明」のイメージ。とはいえ、楽器との組み合わせパターン、そして拍節感が詰まっていく感じは意外にも悩み抜いたもの。ちなみに《完全4度》へのこだわりは、前回の吹奏楽曲「リチェルカーレ」(陸上自衛隊東部方面音楽隊委嘱)からの引き続いたテーマであり、作者としては[連作]の意味合いも込めている。

・続いて、チェレスタのソロ。ここでも控えめな3度音程による8分音符の2度上昇音型のみが提示。これが主要動機。これ以降、随所に鏤められる(散りばめられる)。チェレスタの音色感とシンプルなハーモニー感。コードとしては冒頭の完全4度の反復進行に寄る。

・金管楽器によるコラール、最初の主題(第1テーマ)である。ゆったりとした神聖なイメージをふくませる。引き続き、同テーマが木管へと移行。チェレスタも動機音型を伴って加わる。

・チェレスタのソロで、第2テーマ。伴侶として冒頭のイメージの打楽器群。

・動機音型をテュッティで盛り上げる。4度進行と4度堆積のコードを伴う。クライマックスに達したところで、チェレスタと金属打楽器によるクリスタルなイメージが瞬間的に浮き上がる。

・『天上のコラール』をヴォカリーズで。ちなみに、ここは練習番号『6』であり、このアイディアは指揮者のM先生のもの。このコラールをもって、第一部が完結。

・第二部、一転してミニマル風に。最初のフレーズはマリンバで示される。(後半ではクラリネット群も参加)チェレスタには、5度跳躍(音階上では4度と同じ音値)を多用した素早いパッセージが提示され、これは間歇的に反復される。ミュートを伴う金管群(後に、サックス群も)が3つ目のフレーズ。シロフォンが4つ目のフレーズ、5つ目のフレーズはフルート群に(16分音符6つ+16分休符1つ=16分が7つの連鎖からなるフレーズの反復。そして6つ目として、ベース群が重なる。最高で『6』つのミニマルフレーズが織り編み込みとなる。やや短めの展開と第一部を回想するブリッジを経過して、第三部へと。

・第三部は6/8のリズム。これまでの動機群(4度上昇反復するコードとベースラインの5度跳躍フレーズ)を伴い、木管群で軽快に示される。〈タ・タンタン・タ〉という特徴的な音型は、拙作「マリーナの小径」(ユーフォニアムとテューバのアンサンブル)で多用したもの。ちなみに、委嘱のきっかけとなったOさんとの出会いのきっかけとなった思い出の委嘱作品からの引用でもある。

・太鼓系パーカッションへとリズムが引き継がれ、さらに7/8のリズムが4小節挿入される。(7×4=28)ちなみに『6』がもつ数学的性質のひとつ、最初の完全数というのがある。(完全数とは、その数自身を除く約数の和が、その数自身と等しい自然数のことである。例えば 6 (=1+2+3)、28 (=1+2+4+7+14) が完全数である。)『6』の次にあたる完全数28が、7/8×4の形で示される。ここのチェレスタは主要動機と4度反復の融合型である。

・4度堆積のベルトーンによるイントロを伴い、最初の第1テーマがテュッティで奏でられる。合いの手的な木管群のフレーズには、動機音型や第三部の冒頭リズム型との関連が認められる。引き続き7/8へと拍子が拡張、次に8/8と拡大し、allargandoの表情へと引き上げられる。

・クライマックスで『天上のコラール』が再現される。テュッティで、かつフォルテシモで。吹奏楽曲の典型的でオーソドックスな天頂部の雰囲気で。

・昇りきったところで、瞬く間に冒頭のイメージへと引き戻される。打楽器群も金属群へと移行。回想的雰囲気でチェレスタが訥々とした印象で第2テーマを奏する。(6/8のリズムへと変換)さらに、クリスタルなパーカッションが添い遂げる。終始部で『天上のコラール』がヴォカリーズが再現される。ここは、やや穏やかな印象で。

・一旦、終結したところで、ティンパニーが思い出したかのように、ベルトーンを導き出す。一気に急激な盛り上がりを経て、高らかな主和音へと。ティンパニーの乱舞と楽器群の咆哮(あるいは彷徨)をもってカットアップ。また静寂なイメージへと引き戻され、クリスタルサウンドの中、チェレスタの開離配置の深淵なユニゾンの響きで消えていく。

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2008.06.20

死刑制度

いつか書こうと思いつつも、書き出せなかったこと。
それは「死刑」。

森達也氏の著書「死刑」を読み、先日のニッポン放送の死刑特番もチェックしたが、
死刑制度は不完全に思える。

宮崎勤の死刑執行。
秋葉原の事件との関連とか、見せしめだとか。
あまりにも短絡的すぎやしないかい?
それは、どんだけ凶悪事件の発生の抑制に効果があるのかい?
社会への衝撃やショックをいくらかでも緩和させたのかい?

死刑というのは、あまりにも簡単すぎる。
極刑とか、犯罪抑止力を持たせるには、そう簡単に死なないようにしなければ・・・。
少し未来の視点で考えられないものか。

鳩山氏の「粛々と」っていうのも、薄気味悪い。
亀井氏の死刑制度は「国家権力による殺人」ってのも、わかるが
このタイミングで、その議論でさえも、「ハシゴの掛け違い感」が漂う
今、大事なのは、廃止とか存置とか、そんな次元の問題だろうか。

「そう簡単に死んでもらっても、困る」とか考えられないものか。

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2008.06.16

新曲「Reminiscence for the future -A Tribute to 6 -」

ついつい世の中の事件や出来事に意気消沈している毎日です。

えーと、少しは自分のことも記していかなければ。

これまた久しぶりに吹奏楽編成のオリジナル作品を書きました。
静岡大学吹奏楽団の委嘱作品で
タイトルは「Reminiscence for the future -A Tribute to 6 -」

以下、作品解説、経緯など、同楽団のHPから転載。

この曲は、昨年(2007年)、36歳の若さで永眠した、静岡大学吹奏楽団OBの藤井剛志さんへの追悼の意をこめて、静岡大学吹奏楽団によって委嘱され作曲されました。藤井さんは90年入団生で、打楽器奏者として活躍しただけではなく、団長に就任し、大きな成長期であった90年代前半、その強い志をもってみなを牽引し、改革し、吹奏楽団を大きく成長させた人物でした。
「ろく(さん)」の愛称で、上下問わず親しまれた人物でもありました。今回、彼の“静大吹奏楽団に楽器を買ってやってほしい”という想いを受け、ご遺族の方々から「チェレスタ」を寄贈して頂きました。このチェレスタと彼自身が演奏していた打楽器群をフィーチャーした吹奏楽曲で、改めて藤井さんへの感謝と追悼の意を表したいと思います。

スコア自体は4月中に完成したものです。先日、さっそく静岡の方へ出向きまして、実際の練習に立ち会わせてもらいました。シンプルな割には、なかなか取っ付き難い(と思われる)楽曲に仕上がりましたが、みなさんの理解はすばらしく、よい演奏になりそうな期待が大です。私にしても、いつも付帯音楽やサウンドトラックの作曲がメインですが、今回のように、いくらか自由な楽想の作品を書く機会を頂くことができ、大変感謝しております。初演は、6月29日清水文化センターで行われる、同楽団のサマーコンサートの予定です。

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http://suwo.sakura.ne.jp/infomation.html

近日、この作品の着想やアイディアなどをまとめた「創作ノート」でも公開してみようと思います。

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2008.06.09

献花

昨日の惨事の現場へ足を運び、献花をしてきました。
献花台にそっと置き、報道のカメラが鬱陶しい中、
一向に構わずに手を合わせてきました。
もちろん、写真は控えました。

交差点から少し入った通りには
「被害者の命を返せ」と書かれたビラが雨に濡れていました。
人ごととは思えなかったのです、いや、思いたくないのです。

ニュースサイトの、倒れている人を数人の市民が取り囲み、
救護している写真を見て、動揺し、考え込みました。

とっさのときに、果たして自分は、こういう行動がとれるだろうか。

その写真は、ありのままに、一方的に投げかけてくる。極めて残酷だと思う。

しかし、「お前は、今、その瞬間、写真を撮っている場合なのだろうか」そして、こんな素朴な問いかけ自体、禁句なのか。

発生から時間が経つに連れて、頭をもたげ、今日一日考えて、献花してきました。

無差別。犠牲の要因は、運ですか?タイミングですか?偶然ですか?それらと命を交換することを、黙認するのは神だけなのか。
なんなんだ、この理不尽さは。

報道がインタビューをしようと近寄ってきたのを観て、
おまえらは、仕事という名目で、何をしてるんだ?と思った。
ひさびさに嫌悪感を覚えた。

危害は加えないから、とっとと、消え失せろ。

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