出汁の音楽
「アパートメントハウス1776/アルディッティSQ+ケージ+白井 剛」
@津田ホール
猛烈なスケジュールに挟まれ身動き取れないと思っていたのだが
どうしてもこれは行っておかなければという固い決意のもとに観覧。
話題性が非常に高く、知っている顔がちらほらと、
こそこそ、すりすりとロビーを移動。
内容は、実に楽しめました。
というか貴重な体験ができたひとつかもしれない。
前半、アルディッティSQによる三曲。
ベートーヴェン、細川俊夫、西村 朗
ベートーヴェンという選曲はどうなのか?というか
やはり他の曲に比べて演奏の完成度がビミョー。
細川、西村氏の作品も、語り方は紛れもく、各氏のソレなのだが、
プレイの充実度も相まって、興味深いし、気持ち良い。
特に西村氏はとてもナチュラルな展開で、気持ち良く高揚させられる。
満足。
と、休憩を挟んで後半。
まいった。危うく前半オンリーで満足するところだった。
後半、コレまた実に気持ち良い。
《44のハーモニー》
ケージの手によるリミックス的な作品を、さらにアーヴィン・アルディッティが
SQに編曲したもの。というわけでどこまでケージの痕跡が残っているかは
定かではないものの、単純にシンプルすぎて気持ちいい。
もう出汁の音、空気、すでにそこにあったかのごとく。
ダンスについては、あまり突っ込んだことはわからないが
映像や照明とともにビジュアル的に楽しめた。
ただ、ダンスと音楽はどこまで寄り添っていたのだろうか?
というのが、単純な疑問として残った。
このプログラム構成は、実に妙だった。
後半の圧倒的な存在感が、前半の曲の知的さ、饒舌、多弁、あざとさをくっきりと
あぶり出してしまったかのような印象を受けたのだった。
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