LcND2017/04「追悼・梯郁太郎氏」
LinkclubNews掲載コラム、04月分より、
タイトルは「追悼・梯郁太郎氏」
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MIDIの父であり、レジェンドの「梯郁太郎」氏が4/2にお亡くなりになられました。享年87歳。
・【訃報】 代表取締役会長 梯 郁太郎 逝去のお知らせ|お知らせ|音と映像の融合と進化 、電子楽器と映像機器のATV株式会社
訃報についてFacebookで情報が流れはじめて、本当かどうかわからないまま、いつしか海外からの追悼メッセージで溢れ、ああ、やっぱり本当なのだと…。衝撃でした。あれから、ほぼ一週間経ちましたが、ようやっとメディアでもその偉業をとりあげる記事が上がりつつあります。
このコラムでも、そのMIDI誕生30周年のテーマとして取り上げたのが、2013年1月の4年前のことでした。ちょうどテクニカル・グラミー・アワードを受賞したタイミングでした。そこでも、個人的にMIDIのことについて思うところをつらつらと綴ったわけですが、やっぱり、音楽をやっている以上、語らずにはいられないのです。MIDIがあるおかげで、今の自分があるというのが、少なからず多くのミュージシャンが自認していることではないでしょうか?
なんといってもRolandの創業者としての功績でしょう。世界に名だたる二大楽器メーカーといえば、疑いもなくYAMAHAとRoland。しかし、Rolandの現経営陣との対立が大きく報道されたのは2014年のこと、その結果、Rolandを離れ、新たな電子楽器メーカーである「ATV」を設立したのです。
これも方々で取り上げられてしまったネタではありますが、ピコ太郎のPPAPで聴かれる、あの特徴的な「カウベル」サウンドもリズムマシンの名機「TR-808」ですし、ベースサウンドの「TB-303」何れも特定のジャンルには欠かせないサウンドであることは紛れもない事実であります。あるいはテクノであれば「MC-8」というシーケンサー。あれがなければYMOは聴けなかったかもしれず。
個人的には、DTMやMIDIというワードが広まった90年代、そして、これも標準的名機「SC-88」を使い倒しました。僕だけでなく、みんなが使ってました。良くも悪くも、よく混じる音でした、あれでベーシックを作って、あとはクセのあるオーバーハイムとか、キラキラ系にYAMAHAのDX重ねて作ってました。私もそういう世代ど真ん中でありました。ソフトシンセの移行期にハードウェアの音源を相当処分しましたが、実は「SC-88」だけは、今も押し入れの奥にひっそりと保管していたりします。
というわけで、このコラムは、実は今回が最終回なのでした。最後に訃報というのもなんではありますが、どちらも大事な節目であると感じましたので、このようなテーマで締めくくらせて頂きました。2004年から続けてきましたが、13年目の293回目ということで、永きに渡り御愛読、誠にありがとうございました。私は、これからも書籍やSNSなどで発信してまいりますので、別のメディアを通じて今後ともお付き合いいただければ僥倖の極みであります。
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